「子供たちの学校で今歌われている卒業式の歌ランキングとは?(前編)」では、近年の代表的な卒業ソングや小学校の卒業式においてランキング上位を示す歌をご紹介いたしました。
後編では、中学校や高等学校の 卒業式 において ランキング 上位を示す 歌 をご紹介いたします。
子供たちの学校で今歌われている卒業式の歌ランキングとは?(後編)
~中学校・高校~近年卒業ソングとしてランキング上位を示す曲とは?
「遥か(GReeeeN)」映画「ルーキーズ」の曲です。生まれ育った場所を離れて憧れの街へと旅立つ時に思い起こされる両親からもらった言葉、そして思いやりの持てる立派な姿になって故郷に戻ることを誓った曲です。
新たな道へスタートする不安と希望がつづられていることが卒業式の歌として適していると考えられているようです。
「手紙~拝啓 十五の君へ~(アンジェラ・アキ)」は2008年度NHK全国学校音楽コンクールの課題曲として書き起こされた曲をアンジェラ・アキによって歌唱用にアレンジされたものです。15歳という思春期の中で一人悩み苦しむ自分自身に宛てた手紙を歌詞にしたものです。
「さくら(森山直太朗)」は2003年に発売されて120万枚以上売り上げた大ヒット曲です。友人の結婚を祝う曲として制作したものに手を加えて新たに「さくら」として発売されることになったそうです。
桜が咲く季節の光景とその頃の苦しくも切ない思いの描写が歌詞に素晴らしく表現されていて、今では多くの小中高校で卒業式に歌われる代表的なシーズンソングとなりました。
「栄光の架橋(ゆず)」はアテネオリンピック中継番組のテーマソングとして作られた曲です。作詞作曲を担当したゆずの北川は「生きていく中で負けること悔しかったことは誰にでもある。頑張ってきてよかったと思える曲を作った。」としています。
思い通りにいかずくじけそうになっても信じて進んだ希望への道という内容に卒業生たちの思春期の思い悩んだ思い出と重なって親しまれているのかもしれません。
「贈る言葉(海援隊)」は1979年学園ドラマの代表作として人気を博した「3年B組金八先生」の主題歌です。
学園ドラマで流れていたため学校を去る悲しさや友人たちとの別れを惜しんだ曲のようにも聴き取れますが、実際は作詞をした武田鉄矢ものちに語っているように自分自身が経験した失恋を語った歌です。
しかし「3年B組金八先生」は当時問題となっていた校内暴力・未成年の出産・受験問題など子供を持つ親たちにとって非常に興味深い問題を取り扱っていたために多くの共感を得ました。
そして何よりも教師である金八先生がその数々の問題に対して生徒を想う愛のある対応の仕方に多くの人たちが胸を打たれたのです。
視聴率も第1回目は16.6%だったものが中盤を迎える頃には20%を超えて最終回には39.9%とここ数年では考えられない数字をたたき出しました。
こういった背景もあって「贈る言葉」がいつの間にか失恋ソングという姿は陰に隠れてしまい、代表的な卒業式の歌として使われるようになりました。
「道(EXILE)」はまさに卒業をテーマとして作られた曲です。思い出の時間・友と離れる悲しさを胸に抱えながらその思いに感謝して歩き出そうという曲です。
「未来へ(kiroro)」は母が病気で寝込んでしまった時不安になり母を想って書いた曲だそうです。学校や卒業ということにはまったく触れてはいません。
しかし母の優しさに支えられて育ってきたことや生きるべき道しるべを作ってくれた母に対する感謝の想いを詞にしている点が、卒業を無事迎えられた子供から母へ伝える思いとして共感されるのかもしれません。
どのような曲が卒業ソングとして好まれるのでしょうか?
40代・50代以上の人たちの卒業式の定番曲のランキングには「蛍の光」「仰げば尊し」などが入ってくると思います。しかし現代の定番曲と比較すると理解しづらい古い表現の歌詞が多く含まれているなどダイレクトに心に響きにくいと感じるのかもしれません。
また卒業ソングとして選ばれる曲は元気いっぱいの曲調のものよりも慣れ親しんだ学校生活をゆっくりと思い起こすと共にこれからの未来が明るいものになるようにといった願いが込められた曲が共感を抱くことができて好まれるようです。
卒業式の歌は何十年たってもずっと思い出として刻まれるものです。世代ごとにそれぞれ異なる卒業ソングが心に刻まれることも時代を象徴するようで面白いかもしれません。
まとめ
子供たちの学校で今歌われている卒業式の歌ランキングとは?(後編)
~中学校・高校~近年卒業ソングとしてランキング上位を示す曲とは?
どのような曲が卒業ソングとして好まれるのでしょうか?