「二人目の妊娠は難しい?(前編)」では、晩婚化により第一子出産の高齢出産化が高まり、二人目はさらに高齢化することから、二人目の妊娠をためらっている夫婦も少なくないという現状をご説明いたしました。後編では、女性の就業状況や子どもの教育費からみた 二人目 妊娠の厳しい現状をご説明いたします。
二人目の妊娠は難しい?(後編)
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出産による女性の就業状況とは?
結婚を機に退職してする女性の割合は1985年から1989年では37.3%だったのが2005年から2009年になると25.6%まで減少しました。女性の継続就業する中で結婚はあまり多くの障害とはなっていないことが分かります。
しかし出産退職は43.9%と高い割合を占めています。退職理由としても「家事・育児に専念するためにやめた:39%」に続いて「仕事は続けたいが、仕事と育児の両立が難しい:26.1%」となっていて、女性が子育てと仕事を両立することは依然困難な時代であることは違いないようです。
政府は出産後も女性が仕事復帰できるように3歳までの子育て中の労働者には労働時間を1日6時間とする短時間勤務制度の適応ができるように事業主に義務化させるなどの働きかけをしています。
しかし働く側としても上司や同僚から特別視される環境の中で割り切って働き続けるためには大きなストレスを抱えることは確かです。こういった職場背景は仕事を続けたいと考える女性にとっては二人目妊娠の大きな妨げになっています。
年収と子供の教育費
2014年末現在の男性の年齢別平均年収は、25~29歳:378万円、30~34歳:446万円、35~39歳:502万円となっています。女性は25~29歳:297万円、30~34歳:301万円、35~39歳:293万円となっています。
男性は基本的に年齢が上がると年収も上昇しています。これは単純に在職期間が多いからというだけでなく、係長・課長・部長といったように役職が上がることが年収増加に影響しています。
一方女性は年齢が上がっても年収の上昇はほとんどありません。これは結婚や出産、育児といった生活の変化に伴って休職や退職をせざるを得ない状況もあり、男性と同じように役職に就き昇格して年収が上がるといった形には納まりにくいのです。
十数年前まで男性は55歳くらいまでは給与の上昇がありました。しかし近年では不景気のあおりも受けて40代に入った時点から給与上昇はなくなり40代後半からは下落する傾向となります。
子供の教育費は大学受験から卒業までが最もかかると言われています。30歳の時に一人目の子供を産んでいた場合、親の給与が下落していく40代後半から50代前半時期と最も教育費がかかる時期が重なります。
子供が二人以上いる場合は年収が減退する中で教育費負担がますます大きくなるということなのです。大きな教育費負担を考えると二人目の子供の妊娠は難しいと考える夫婦も少なくありません。
まとめ
二人目の妊娠は難しい?(後編)
出産による女性の就業状況とは?
年収と子供の教育費