2009年から日本の自殺死亡者が減少傾向になりつつある中で 中学生 による自殺死亡者は2011年以降急激に上昇しています。自殺を考える前兆として家族や友人との関わりを避けて 不登校 ということも大きな要因と考えられます。
今不登校を改善するためにどのようなことを考えるべきなのか、今回は不登校を紹介します。
いま社会が抱える増加する中学生の不登校問題とは?(前編)
不登校とは?
不登校とは、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、生徒が登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあることと定義づけています。しかし病気や経済的なものが理由として欠席するものについては除きます。
中学生や高校生は子供とも言えず大人とも言えない難しい年代です。彼らが家族や友人、学校などの中で抱える精神的葛藤に打ち勝てずに不登校という手段を取ってしまう子供たちが増えているということは本当に悲しいことです。
中学生による不登校生徒数は?
総務省により国公私立中学生の中で年度間に連続または断続して30日以上欠席した生徒のうち不登校を理由とした生徒数の調査を行いました。
平成5年には全生徒数:4,850,137人に対して不登校生徒数:60,039人(1,16%)、平成10年には全生徒数:4,380,604人に対して不登校生徒数:101,675人(2,32%)、平成15年には全生徒数:3,748,319人に対して不登校生徒数:102,149人(2,73%)、平成20年には全生徒数:3,603,220人に対して不登校生徒数:104,153人(2,89%)、平成25年には全生徒数:3,552,455人に対して不登校生徒数:95,442人(2,69%)という結果が出されています。
不登校生徒数の前年度比が平成8年以降、平成7年には5,4%上昇だったものが平成8年には15,1%上昇と急激に上がり幅があり、その翌年の平成9年には13,2%上昇、平成10年には20,0%上昇というように毎年上昇傾向にありました。
平成7年は阪神淡路大震災があった年です。この震災が原因で家族との離散、友人との別れ、そして家や家財などを失い経済的問題もあって将来に対する不安や情緒不安定などにおちいって、平成8年度以降不登校生徒が増えた可能性が非常に高いと思われます。
しかし平成11年以降上昇幅が狭まって平成11年から平成13年までは2,5%から4,0%の上昇となりました。
そして平成14年以降前年度比に減少傾向がみられて、一時平成18年と平成19年には上昇がみられたものの、平成20年からは毎年減少傾向にあって少し希望が持てるような状況もみられました。しかし残念なことに平成25年度に再度前年度比が4,4%と上昇となってしまいました。
不登校になる主な理由とは?
総務省は加えて国公私立の不登校中学生に対して不登校になったきっかけと考えられる状況を複数回答可能として調査したところ次のような解答になりました。
学校関係で最も多い理由は「いじめを除く友人関係をめぐる問題:15,188人(15,9%)」で次いで「学業不振:8,802人(9,2%)」、「入学、転編入学、進級時の不適応:2,756人(2,9%)」、「クラブ活動、部活動などへの不適応:2,028人(2,1%)」、「学校の決まりなどをめぐる問題:1,935人(2,0%)」、そして「教職員との関係をめぐる問題:1,481人」と「いじめ:1,527人」は1,6%と同じ割合でした。
そのほか「進路にかかる不安:1,473人(1,5%)」という理由でした。
テレビや新聞の取り上げ方から不登校理由として最も多いものはいじめではないかと考える人がほとんどだと思います。
しかし実際にはいじめまで発展しないまでも友人同士での関わり方で問題が生じると思春期である中学生にとっては修復が難しく感じてしまい、どんどん学校へ足を運ぶことが苦しくなってくるのかもしれません。
不登校の家庭に関わる最も多い理由は「親子関係をめぐる問題:8,412人(8,8%)」で次いで「家庭の生活環境の急激な変化:4,325人(4,5%)」、「家庭内の不和:3,390人(3,6%)」となっています。
そして本人に関わる多い理由としては「無気力:25,048人」と「不安など情緒的混乱:25,040人」は共に26,2%と同じ割合でした。次いで「遊び・非行:9,798人(10,3%)」、「病気:7,134人(7,5%)」「意図的な拒否:4,605人(4,8%)」となっています。
まとめ
いま社会が抱える増加する中学生の不登校問題とは?(前編)
不登校とは?
中学生による不登校生徒数は?
不登校になる主な理由とは?