ある日突然、わが子が「学校に行きたくない」と言い出したらどうしますか。学校に行きたくない理由を聞いてその原因を取り除きなんとか学校に行けるようにしてやりたい!と思うのが親心ではないでしょうか。
しかし 不登校 の 原因 は簡単には取り除くことができないようです。詳しくご説明いたします。
不登校の原因は学校にあると決め付けていませんか?
不登校のきっかけは?
子供が「学校に行きたくない」と言い出したら、ほとんどの親はまず「いじめ」を疑うのではないでしょうか。「いじめ」というほどのことではなくても先生や友達となにかトラブルがあったのではないか?と考えるはずです。
親としては「学校に行きたくないのだから原因は学校にある」と考えてしまいがちなのですが、実際にはそうとは限らないようです。
文部科学省のホームページで閲覧できる資料「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の最新版(平成22年度)に「不登校になったきっかけと考えられる状況」という項目があります。
その資料によれば小中学校の不登校のきっかけのうちもっとも多いのは「不安など情緒的混乱」の23.7%、つづいて「無気力」21.7%と本人に係る状況が圧倒的に多く、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」15.2%、「親子関係をめぐる問題」10.7%というように数字の上では「学校の問題」や「家庭の問題」よりも「本人の問題」が多いという結果になっていました。
「子供自身の問題」とはどんなこと?
「不安などの情緒的混乱」「無気力」という子供自身の問題で不登校になっている割合が多いということが資料からは読み取れましたが、自分の子供が不登校になった原因が「情緒不安定」や「無気力」だと言われても親は「はい、そうですか」と納得するわけにはいきません。
そうなってしまった原因が何であるかを追及したくなるでしょう。そして「子供が学校に行けるようにしなければいけない」と一生懸命になるはずです。しかしその行動が子供を追い詰めてしまうということもあるのです。
「子供自身の問題」には子供の性格や個性が大きく関係しています。「学校に行けない」という心理状態になるまでにはさまざまな葛藤があったはずなのです。
「学校に行かないと子供の将来が台無しになってしまう」と心配になるのは当たり前ですが、現在進行形で苦しんでいる子供に寄り添うためには無理に学校に行かせようとしてはいけないのです。
「自分だけが取り残される」という不安は子供自身が一番感じているはずです。周囲の大人たちはその不安を取り除けるような対応をすることが大切なのです。
「適応障害」と「発達障害」も不登校の原因
「適応障害」と「発達障害」はおなじ「障害」という言葉が入っているので混同されがちですが、この2つは全く違うものです。
「適応障害」は過度なストレスによって身体や精神にさまざまな症状が起こることで、その症状のせいで学校に行けなくなります。そのストレスの原因がなくなれば適応障害も良くなるといわれています。
一方「発達障害」は先天的な脳機能の障害で「自閉症」「アスペルガー症候群」「多動(ADHD)」などが含まれます。適応障害の子供がその障害ゆえに学校生活にストレスを感じていて、それが原因で適応障害になってしまうというケースもあります。
不登校の原因を追及する前に
適応障害になりやすいのは「完璧主義」「まじめ」「リーダーシップがある」「責任感が強い」という性格の子供です。不登校になる前は優等生で友達も多かったので「まさかうちの子が」と親は驚きを隠せません。
不登校になる原因は「子供の性格や考え方」「親子の関わり方」「学校生活」というそれぞれが複雑に関与しあっています。
まずは原因を追究するのではなく子供と向き合って話を聞くことが必要です。その際に大切なのは「学校へ行けない子供」を否定するのではなく、「親である自分はそんなあなたも受け入れるよ」という姿勢です。
親には話してくれない場合は専門家のカウンセリングを受けるようにしましょう。
まとめ
不登校の原因は学校にあると決め付けていませんか?
不登校のきっかけは?
「子供自身」の問題とはどんなこと?
「適応障害」と「発達障害」も不登校の原因
不登校の原因を追究する前に