若者の「引きこもり」や「ニート」の増加、「高学歴なのに就職できない」ということが社会問題として話題となっています。そこには「 学生時代に力を注いだこと 」があるかどうかが大きく影響しているようです。
わが子の将来のために親として心がけておくべきことをご説明いたします。
子供にとって「学生時代に力を注いだこと」が必要な理由
面接でよく聞かれる質問です「学生時代に力を注いだことはなんですか?」
就職活動には面接が重要ですが、そこで必ずと言っていいほど聞かれる質問が「学生時代に力を注いだこと」についてです。最近では第一次選考に必要なエントリーシートの段階でこの質問への回答が重要視される傾向もあるようです。なぜ企業はこの質問を学生に問いかけるのでしょうか。
勘違いされやすいのですが、企業はその学生が「力を注いだ結果」つまり「功績」を求めているわけではないのです。
「スポーツに力を注いで国体に出場した」、「研究に打ち込んで論文が学会に認められた」などという華々しい功績がある人物を採用したくてその質問をするのではなく、その質問の答えから学生の人柄や将来性について知ろうとしているのです。
「学生時代に力を注いだこと」の回答として多いのは「部活動」「アルバイト」「勉強」「ボランティア」などです。目標や夢に向かって自分がどれだけがんばってきたか、どんな困難を乗り越えてきたか、その経験を今後どう活かしていきたいのかなどを語ることがそのまま自己PRになります。
その「経験」が人生を左右する
親として子供の将来を思って習い事をさせたり塾に通わせたりしますが、最近は「高学歴であれば優良企業に就職できる」という安易な考え方ができなくなりました。またせっかく就職してもすぐにやめてしまい再就職口が見つからないという厳しい現状もニュースとして取り上げられています。
良い大学や良い企業へ入ることが人生のゴールではないということです。子供にとって「学生時代に力を注いだことがあるかどうか」というのは就職活動のPRということだけでなく本人にとって重要なことなのです。
部活動やアルバイトを続けるということは誰にでもできる「当たり前」のことではありません。最初は「好き」「楽しい」「面白い」という「正」の気持ちで始めたことでも、続けていれば必ず「つらい」「つまらない」「くやしい」という「負」の気持ちが生まれるものです。
そうして葛藤ののちに「続ける」か「やめる」という選択があります。そういう人生の「壁」を乗り越える経験があってこそ子供は成長することができます。次に同じような「壁」にぶつかったときにその経験を踏まえて行動することができるようになるのです。
「学生時代に力を注いだことがありますか」と聞かれて「あります」と答えることができる人は、そういう経験を持っているはずなのです。
力を注ぐことができる環境とは?
最近は「スポーツや勉強が苦手で、友達と遊ぶよりも部屋にこもってオンラインゲームをしている方が楽しい」という子供もたくさんいます。わが子がそういうタイプの場合は「将来引きこもりにならないかしら」と心配になるでしょう。
そもそも部活動やアルバイトでぶつかる壁というのは多くの場合「人間関係」で、周囲とのコミュニケーションがうまくいかずにやめてしまう人が多いのです。しかしそれこそが社会に出たときに必要な経験であり、子供が自立するためには不可欠な能力のはずです。
子供が胸を張って「自分には学生時代に力を注いだことがあります」と言えるようになるために親ができることはあるのでしょうか。力を注ぐのは子供自身ですから親が代わりに力を注ぐわけにはいきません。
親がしてやれることは「力を注ぐことができる環境」を親としてサポートすることではないでしょうか。
子供がやりたいことに対してそれを経済的に支えることや、悩みごとを聞いてアドバイスすること、良い結果を出せたときに一緒に喜び褒めてあげることなど、親としてサポートすることで子供を応援することができるのです。
まとめ
子供にとって「学生時代に力を注いだこと」が必要な理由
面接でよく聞かれる質問です「学生時代に力を注いだことはなんですか?」
その「経験」が人生を左右する
力を注ぐことができる環境とは?