近年、発達障害という言葉がよく聞かれるようになりました。その反面で、 発達障害 が起きる 原因 は、社会であまり知られていません。医学的にも、はっきり原因がまだわかっておらず、究明の中にあるのが現状です。
しかし、これが原因ではないかと考えられていることがあります。
発達障害が起きる原因はなにか
先天的要因
先天的な脳機能の障害とされるものです。それは、遺伝子、染色体異常、先天的代謝異常などに起因すると考えられています。
染色体異常については現在、特定の染色体の重複が発見されていますが、なぜ起こるのかまでには結論付けられていません。また、遺伝に関しても必ずどの子供にも遺伝するというものではありません。遺伝要素に、それを引き起こすさまざまな環境が伴うとされています。
先天的代謝異常
先天的代謝異常は、遺伝子異常が原因で、酵素の機能低下や欠損が起こり、代謝異常を引き起こした状態です。発見が遅れると、知的障害や発達障害を残す可能性があります。
この先天的代謝異常は、4つに分類され、フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、ガラクトース血症にわけられます。早期発見ができるので、生後4日から6日くらいにマススクリーニング検査を受けることができます。
中枢神経の機能障害
胎児期を含めた発達期にさまざまな原因が重なり、中枢神経に障害が生じた結果、認知、言語、社会性、運動などの機能の獲得が障害される状態になるといわれています。
また中枢神経に機能障害が起きると、多動や、不注意、衝動性などのADHDの症状も引き起こされるといわれています。
環境要因
環境ホルモンや農薬、水銀、鉛、砒素、カドミウム、PCBなどの環境科学物質が、中枢神経系を阻害すると考えられています。
特にこれらは妊娠中にも母親から子供へ与えられる環境要因であり、そこに発達障害になりやすい遺伝的要素が伴うと、障害が起き易いと考えられています。
また、妊娠中のアルコール、喫煙も原因にあげられます。そしてこの要因は、妊娠前から避ける努力ができる要因です。
周産期異常
赤ちゃんがお腹にいるときの感染、分娩時における新生児仮死、低体重、重症黄疸後遺症、も発達障害になる要因と考えられています。また新生児の低血糖、低栄養、低体温症が原因だとする説を唱える医者もいます。
周産期とは、妊娠28週以降から生後1週間内のことで、その頃に体内の環境や低栄養によって低酸素状態を起こしたりすると脳の機能が不全となりやすいと言われています。、微弱陣痛も、低酸素状態を引き起こす原因となることがあります。
その他の環境要因
虐待という過酷な環境によって、発達障害に似た症状が引き起こされることがあります。親の育て方は発達障害の原因ではないと基本的にされていますが、虐待のような状況はまた別の問題となります。
また、発達障害の早期発見や正しい療育が行われないまま、家や学校、友達の間で叱られたり、からかわれたりと、さまざまなストレス環境の中で育つ内に、二次障害として、鬱などの精神障害を更に誘発することがあります。
発達障害の現在
このように、発達障害の主な原因は脳の先天的な機能障害とされています。しかしそれには、子供が持っている素質や、遺伝子、出生前環境、周産期の異常などの要因が伴って起きるとされています。
言葉のみが先行している現在、より多くの人が発達障害について正しく理解していくことが必要とされています。日々発達障害の原因が研究され、それにより治療方法が明確になっていくことが望まれています。
まとめ
発達障害が起きる原因はなにか
先天的要因
先天的代謝異常
中枢神経の機能障害
環境要因
周産期異常
その他の環境要因
発達障害の現在