幼児の発達障害は一見すると「発育が遅いだけ」で済まされてしまう場合が少なくありません。子供の将来のために、適切な診断を受けることが重要といえるでしょう。
また発達障害の特徴を理解し、セルフチェックを活用することでどのタイプであるかをあらかじめ知ることができます。
今回は、 発達障害 と 診断 される 幼児 の特徴についてご紹介いたします。
発達障害と診断される幼児の知るべき特徴|セルフチェック
発達障害は親の責任ではない
幼児期に自分の子供が発達障害と診断された場合、多くの親は自分を責めてしまうケースが非常に多いようです。
「自分の育て方が悪かった」「子供に間違ったしつけをして育ててしまった」など、発達障害に対して間違った認識をしています。
しかし発達障害は脳の一部機能不全です。つまり「生まれつき」であることがわかっています。そのため発達障害は育て方やしつけによるものではありません。したがって親は、自分を責める必要はないのです。
発達障害4つの種類とその特徴
発達障害は主に以下4つの種類があり、それぞれに特徴があります。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
好奇心旺盛で落ち着きがなく、集中力が極端にないなどがあげられます。誰にでも当てはまる行動に見えることが特徴です。しかしADHDは、学業や日常生活に支障をきたしてしまう症状があるのです。
具体的には、忘れ物や大事なものさえ紛失してしまう場合が多く、些細なミスを繰り返してしまいます。また周りからの刺激に敏感で、集中力が散漫になってしまうようです。
会話が止まらなくなり、注意されても聞くことができません。じっとしていられず常に動き回り、じっとしている時でも手足を動かし続けてしまいます。また思いついたことはすぐに口に出してしまうなど突発的な行動を起こし、興味のあるに対して興奮しやすいようです。
がまんすることが非常に苦手であり、順番を待つことができません。そしてすぐにイライラしてしまい、思うようにいかないと他の子供を叩いてしまう場合があります。そのことに対して注意されると落ち込みやすく、やる気がなくなりやすいことが特徴です。
ASD(自閉スペクトラム症、自閉症スペクトラム障害)
社会性や対人関係、コミュニケーション能力に問題があり、物事に対して強いこだわりがあるといわれています。また感覚が異常に敏感(鈍感な場合もある)であり、柔軟な思考が苦手です。そして変化に対応する能力が乏しいケースが多いのです。
具体的には、交友関係をうまく築くことができず視線を合わせることや、自分の気持を伝える能力に欠けています。
まれに言語の発達が遅れるケースもあり、質問をそのまま返したり、単語のみで会話をしたりする場合もあるようです。そして会話が一方的になりやすいといわれています。
また物事のルールが理解できない場合が多く、共同作業が非常に困難です。強いこだわりがあり、偏食や決まった衣服を身に着けたりすることがあります。特定の趣味に対して異常に熱中するなどの行動がみられるケースも少なくありません。
知的障害
日常生活や学業において学習能力や適応能力に障害があり、軽度、中度、重度、最重度の4段階にわけられます。
具体的には、言葉の発達が遅く言葉のバリエーションが一般的な子供と比べて少ないことです。運動能力については歩行の発達が遅く、動きがぎこちないなどがあげられます。また社会性については、周りと打ち解けることができず一人で遊ぶことが多いようです。
LD(学習障害)
全体的にみると知的な遅れはないようです。しかし特定分野において読む、書く、計算などの能力が困難な場合があります。
具体的には、字はうまく書けるのに計算ができないなど、一見すると「怠けている」と誤解されるケースが少なくないようです。また情報処理能力に欠け、漢字や図形に対して理解力が乏しいときもあります。
セルフチェック後は診断の検討を
あくまでもセルフチェックでありますが以下の項目を参考にしましょう。
- 座っていられずすぐに立ち上がってしまう
- 一方的におしゃべりをするまたはおしゃべりが止まらない
- 周りとのコミュニケーションがうまく取れず、一人でいることが多い
- 忘れ物が多くまた物を紛失しやすい、整理整頓が非常に苦手
- 感覚が敏感なため、大きな音や揺れが極端に苦手。また味覚や嗅覚も敏感なため偏食
- 異常に不器用で筆圧が弱い、指先をうまく動かすことができない
- 特定分野の学習が非常に困難
- イライラしやすく感情をおさえることが困難で手が出てしまう
あてはまる項目が多い場合は、医療機関での診断を検討しましょう。小児科や小児発達神経科、児童精神科での受診が可能です。
まとめ
発達障害と診断される幼児の知るべき特徴|セルフチェック
発達障害は親の責任ではない
発達障害4つの種類とその特徴
セルフチェック後は診断の検討を