大人になってからの引きこもりの原因の多くは、幼少期の家庭環境にあるといわれています。いったいどういう家庭環境にある子どもが引きこもりになりやすいのでしょうか。
ここでは 引きこもり の 原因 となりうる家庭環境とはどういう環境なのかをご紹介します。
引きこもりの原因になりうる家庭環境とは?
親からの過干渉・不干渉
幼少期の親の過干渉のせいで、自分の考えや意思を持つことができずに育った子どもは、大人になってから対人関係のスキルが低い傾向にあります。
親からの極度な抑圧により、自分の友人との付き合いすら制限されてきたまま大人になるので、人とのかかわり方がわからないのです。
どのように人と接したらよいのかわからない、自分の意見が言えない、人との距離感を自分の中でつかむことができないなどの理由で、人間関係をうまく構築することができません。そのため人と接することに息苦しさを感じ、引きこもるようになります。
また、不干渉の親の場合は子どものSOSに気付かない、もしくは例え気付いたとしても「そのうちどうにかなるだろう」と手を差し伸べることをしません。それは子どもが助けを求める先を見つけられず自分の殻に閉じこもってしまう要因となります。
人に心を開けないまま成長すると、過干渉の場合と同じく人とうまく付き合うことができず、引きこもりになるのです。
愛情不足
親からの愛情をじゅうぶんに受けられないまま大人になると、自己肯定感が低くなり自分に自信を持てません。そのため常に心に不安を感じている状況で大人になるため、自分の人生に悲観的になり、人と接することが臆病になるのです。
また、自分に自信のない人間は、一度人間関係をこじらせてしまうと自分が悪かったのだと自身を追い込むことしかできず、関係を修復することができません。
同様に、失敗をしてもそれも自分が悪いからだと自己否定をすることしかできず、失敗から立ち直る方法もわからないまま、自分の殻に閉じこもってしまうことになります。そうして人とのかかわりに自ら壁を作ってしまい引きこもりの状態となるのです。
夫婦仲が悪い
両親の仲が悪く、家庭内でほとんど会話がない、もしくは言い争いが絶えないなどの環境では、子どもは頼る相手を見つけられないだけでなく人間不信にも陥ります。
一番落ち着き、心が癒されるはずの家庭内が殺伐とした状態であるため、子どもは自室にこもり、自分の殻に閉じこもってしまいます。
一見するとごく普通の家庭環境に見えても、実は家庭内の環境が崩壊している場合、周囲の人間は子どものSOSになかなか気付けません。
気付く人がいてくれたとしても、親が「問題ありません」と言ってしまえば、目に見える異常がない限り外部の人間は口出しできないため、子どもは外へ助けを求めることも難しいのです。
父親の育児参加の仕方
父親の育児参加の有無や、参加の仕方が原因となる場合もあります。まず、父親が全くの育児不参加の場合、参加していないのに引きこもりの原因になるというのはどういうことなのでしょうか。
それは、父親の育児不参加が母子密着の状態を生み、これが引きこもりの引き金となる可能性があるということです。
過度な母子密着の環境は、言い方を変えると共依存の状態といえます。この共依存が上記に述べた過干渉の状況を生み、後のひきこもりへと発展するのです。
逆に、父親が育児参加をしている場合の原因とは父親のかかわり方にあります。過干渉のそれとは違い、「父親として厳格さ」が起因しています。
父親としての尊厳を保ち、厳格に接しようとすることで一方的な物言いになり、押し付けの育児になってしまうことで、子どもは委縮してしまうのです。
過干渉でも不干渉でもない、こうした押し付けは子どもにとっては恐怖でしかなく、家庭内でビクビクしながら生活することが心の成長を妨げ、大人になった時の引きこもりの原因となりえます。
親子でのカウンセリングの必要性
引きこもりの原因の多くは親にあると言っても過言ではありません。ですから引きこもりの子どもを専門家に丸投げするのではなく、親子でカウンセリングを受ける必要があります。家庭環境が変わらなければ根本的な解決にはなりません。
親子で一丸となって環境改善に向けて取り組みましょう。
まとめ
引きこもりの原因になりうる家庭環境とは?
過干渉・不干渉
愛情不足
夫婦仲が悪い
父親の育児参加の仕方
親子でのカウンセリングの必要性