子供が頻繁に貧血を起こすのは非常に怖いものです。子供の貧血原因は主に鉄分不足で起こる事が多く、ほとんどの場合は薬の服用と食事療法を並行する事で改善されると言われています。しかし小さな子供に長い期間薬を飲ませ続けることにも抵抗があります。
今回は 貧血 の原因と 薬 の服用について調べてみました。
子供の貧血原因と薬の服用について(前編)
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子供が起こす貧血とは?
鉄から作られているヘモグロビンは体内への酸素の供給を行っています。ヘモグロビンは体内の鉄分が不足すると酸素供給が少なくなり体の隅々まで酸素を運ぶことができなくなってしまい貧血症状となって現れます。
乳幼児期は主に鉄分不足によっておこる鉄欠乏貧血になる頻度が高いといわれています。母乳に含まれる鉄分は非常に少ないのですが生後6ヶ月頃までは体内に蓄積されているフェリチンと呼ばれる鉄分が補ってくれる事でヘモグロビン形成に問題はありません。
貧血を避けるためにフェリチン不足を避けるために食べ物からの十分な鉄分供給が必要となります。フェリチンが無くなる生後6ヶ月頃は完全母乳から徐々に離乳食へ移行する時期です。
離乳食開始当時は初めて口にする食べ物に抵抗を感じて赤ちゃんが食べてくれない事が多く栄養バランスは乱れがちです。
満足に栄養補給ができていない中赤ちゃんがずりばいやハイハイを始める時期にあたり、寝たきりの頃と比べて活動の幅も広がる事で消費する栄養分は非常に多くなります。そのため鉄分の需要と供給が成り立たず鉄分不足で鉄欠乏貧血になる赤ちゃんが増えてくるのです。
体内には常にフェリチンを溜めておく必要があります。しかし食事だけでは十分な鉄分補給が難しいため並行して薬の服用も必要となります。貧血が続く場合様子を見るなどの安易な判断はせず必ず医師に診せて薬を処方してもらうことをお勧めします。
貧血とピロリ菌の関係とは?
ピロリ菌とは胃粘膜に入り込んで増殖し主に胃に様々な障害を与えます。ピロリ菌感染すると胃に炎症を引き起こして慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんの原因になるとされています。ピロリ菌は近年の研究結果では鉄不足によっておこる貧血=鉄欠乏性貧血との因果関係があると証明されています。
幼少期になりやすく貧血患者の約90%が鉄欠乏性貧血と言われています。胃に感染したピロリ菌は消化管からの鉄の吸収を阻害したりピロリ菌の増殖に鉄が消費されて鉄欠乏をきたすことが分かっています。胃がピロリ菌感染すると鉄欠乏性貧血の大きな要因となるという事です。
原因不明の鉄欠乏性貧血患者に加えピロリ菌保菌者にピロリ菌の除菌治療を行うと貧血が治ったという報告も多く上がっています。
鉄欠乏性貧血で長い間同じ薬を服用してもお子さんの貧血の頻度が変わらない場合、別の病気が潜んでいる可能性もあります。病院を変えセカンドオピニオンを受けるなどして貧血の原因をシッカリと突き止めてもらう事が重要かもしれません。
後編では、ピロリ菌の感染を予防する方法や貧血の時に処方されるお薬についてご紹介します。
まとめ
子供の貧血原因と薬の服用について(前編)
子供が起こす貧血とは?
貧血とピロリ菌の関係とは?