女性が発症することが多い病気に貧血がありますが、実は子どもも貧血を発症しやすいと言われています。特に乳幼児の貧血を放置した状態にすると発達に遅れを生じるなどの影響が出てきてしまうため、注意が必要です。
今回は子どもの 貧血 の基準となる 数値 と数値をあげるための対策について詳しくご紹介いたします。
子どもの貧血の基準となる数値はいくつでしょうか
貧血は赤血球やヘモグロビン濃度の数値が減少した状態のことです
貧血の判断でよく用いられるのがヘモグロビンの濃度です。ヘモグロビンは赤血球の中に含まれている色素で、酸素と結びついて体中の細胞に酸素を送り込む役割を果たしています。ヘモグロビンが少なくなってしまうと、酸素を十分に送り込むことができなくなってしまいます。
生まれてすぐの赤ちゃんはヘモグロビン濃度が高いです。しかし、新生児期を過ぎると貧血症状があらわれる赤ちゃんがいます。それは大きくわけて2種類あげられます。
生後3週間~2ヶ月までに起きやすい生理的貧血と離乳食が始まった生後5~6ヶ月頃から2歳前後までに起きやすい鉄欠乏性貧血です。WHOは子どもの貧血の基準となる数値は生後6歳までをヘモグロビン濃度(Hb)11g/dl以下としています。
また6歳~12歳までをヘモグロビン濃度(Hb)12g/dl以下としています。赤ちゃんは大人と違い、自分で体調が悪いことを伝えられません。顔色が悪い、哺乳力が弱い、元気がないなどの症状がみられたら医師に相談しましょう。
生理的貧血に起こす原因について
生まれてすぐの赤ちゃんのヘモグロビン濃度は20g/dlもあります。赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる時に肺呼吸ができず、胎盤をとおして必要な酸素を送り込まれています。少ない酸素を体中に運ぼうとしているため、赤ちゃんの血液は酸素を運搬するのに濃い状態になります。
そのため、生まれてすぐの赤ちゃんはヘモグロビン濃度の数値が高く、顔や体中が真っ赤になるということです。そして生まれてくると自らの肺で一生懸命呼吸をはじめます。そのため、お腹の中にいる時とは違って一時的に血液を作り出す必要はなくなります。
また、身体も成長していきますので赤ちゃんの血液は全体的に薄くなり、ヘモグロビン濃度も低下してしまいます。その結果、生後2~3ヶ月頃には一時的な貧血になりやすいです。通常は自然回復をし、健康上に問題なければ心配する必要はありません。
しかし、未熟児で生まれてきた赤ちゃんは成熟児に比べて、生まれもった鉄分が少ないことや成長が著しいことから場合によって輸血やホルモン治療が必要となることもあります。その場合は、医師と相談するなどの対策をしていきましょう。
乳幼児の鉄欠乏性貧血について
赤ちゃんはお腹の中でお母さんからもらった鉄分を体に貯蔵しています。しかし、生後6ヶ月頃には貯蔵された鉄分は底をつき、身体も大きくなっているため必要な鉄分の量が増えていきます。
この時期から離乳食を開始する赤ちゃんが増えてきて、離乳食の食材から鉄分を吸収する必要があります。貧血を予防する食材は、ほうれん草やレバー、ひじきです。これらをバランスよく摂取させましょう。
また、これまで母乳栄養で育ってきた赤ちゃんは鉄分の吸収力が弱く、鉄欠乏性貧血になりやすいです。離乳食で手軽に使える牛乳も飲める量が限られていますので、多くの鉄分を摂取するのには向いていません。
離乳食では粉ミルクを使うと鉄分が多く摂れます。生後9ヶ月頃から飲めるフォローアップミルクはその時期に不足されると思われる鉄分や栄養素が豊富に含まれています。日々の食事を意識して、貧血を防ぎましょう。
思春期の貧血の数値について
思春期にあたる中高生は身体が大きく成長する時期のため、貧血になる子どもが多いです。男児の場合、ヘモグロビン濃度の数値が12g/dl以上、15歳以上になると成人男性の基準と同じ13g/dl以上であれば貧血ではありません。
女児の場合、成人女性の基準と同じ12g/dl以上であれば貧血ではありません。また、女児の場合は生理があるため一時的に貧血状態になってしまうことや、過度なダイエットをすることで鉄分不足になり貧血を起こす可能性が高いです。
思春期での鉄欠乏性貧血は集中力が停滞、動機や息切れが起こるなどの症状が出て学力低下にもつながってしまいます。鉄分を多く含んだ食材を摂取することや、鉄材での治療で学力低下を防ぐことが出来ます。
赤ちゃんとは違い、きちんと貧血症状を伝えられる年齢であるため、必要があれば医師の診断をうけましょう。
まとめ
子どもの貧血の基準となる数値はいくつでしょうか
貧血は赤血球やヘモグロビン濃度の数値が減少した状態のことです
生理的貧血に起こす原因について
乳幼児の鉄欠乏性貧血について
思春期の貧血の数値について