「子供の代表的な貧血の種類とは?(前編)」では、鉄分が不足した場合の貧血についてご紹介しましたが、後編では鉄分に関係なく汎血球減少症を招いてしまう病についてご紹介いたします。
貧血 には 種類 がありますので、出血傾向が高い場合や貧血症状が目立つ場合には速やかに病院を受診しましょう。
子供の代表的な貧血の種類とは?(後編)
貧血の種類(2)再生不良性貧血
再生不良性貧血は骨髄の異常により造血細胞が脂肪に変わって血球数が減少することで血液が作られなくなってしまい貧血の種類です。進行状況によっては命にもかかわる病です。遺伝性の高い先天性のものと原因が分からない後天性のものがあります。
再生不良性貧血は赤血球だけでなく白血球や血小板も減少してしまうため免疫機能自体も低下してしまいます。そのため歯肉炎や皮下出血・風邪なども引きやすくなってしまいます。
再生不良性貧血の症状としては一般的な貧血同様にめまい・頭痛・息切れなどのほかに、鼻血や歯茎から出血しやすくなる上に血がなかなか止まらなくなる事もあります。
そのほかのどの痛み・発熱・血尿・あざ(紫斑:しはん)ができやすくなったり疲れやすく顔色が悪くなります。
貧血の種類(3)溶血性貧血
赤血球が何らかの原因で異常をきたすことによって組織が破壊されて貧血症状を発生させる貧血の種類です。溶血性貧血は寿命が120日とされている赤血球が寿命を迎える前に破壊してしまうという症状によって新たな赤血球を急速に作り出そうとする作業が骨髄で続きます。
しかしその作業も追いつかないほど赤血球の破壊スピードが速くなり結果的に赤血球が不足して貧血症状が現れてしまうのです。溶血性貧血には遺伝子異常が原因とされている先天性のものと原因がはっきりと分からない後天性のものがあります。
先天性溶血性貧血の中でも遺伝性球状赤血球症は約70%と言われていて治療方法としては脾臓を摘出する必要が出てくる場合もあります。
後天性溶血性貧血ははっきりとは原因はわかっていませんが主に何らかの病にかかった際の薬剤または病気そのもののウイルスがもとで赤血球を破壊してしまうことが原因である可能性が高いと考えられている貧血症状です。
後天性溶血性貧血の中にはマラソン・剣道などの運動により足の裏を通じて強い衝撃の圧力で赤血球が破壊されてしまうという自己免疫性溶血性貧血もあります。
溶血性貧血の症状としては動悸・息切れ・顔色が悪いなどの一般的な貧血症状に加え、他の貧血症状との大きな違いは赤血球が壊れる事でヘモグロビンの処理数が増えて肝臓のビリルビンの黄色の色素が増える影響で黄疸症状が現れる事があります。
脾臓で赤血球が破壊されることで脾臓が腫れる事もあります。脾臓が腫れてしまう症状は乳幼児で50%から95%と高い比率で現れます。
貧血から親は何を読み取る?
貧血の種類によって原因は様々です。しかしいずれにせよ何か体調の変化や病の前兆を知らせるサインである可能性は高いのです。特に子供の場合貧血の症状をうまく伝えられず手当てができず手遅れになってしまう場合もあります。
休息するだけで回復させようと安易に考えず貧血の頻度が高くなるようであれば病院で精密検査を希望するなど原因を追究してもらい子供の命の危険を回避できるよう親がシッカリと心配りをしてあげましょう。
まとめ
子供の代表的な貧血の種類とは?(後編)
貧血の種類(2)再生不良性貧血
貧血の種類(3)溶血性貧血
貧血から親は何を読み取る?