「一時保護など子供の命も左右する複雑で困難な児童相談所の対応(前編)」では、児童相談所の役割や子供の一時保護についてご説明致しました。後編では、 児童相談所 の現状について、また子供を 一時保護 をした際に勃発する問題点についてご説明いたします。
一時保護など子供の命も左右する複雑で困難な児童相談所の対応(後編)
限界とも思える児童相談所の現状
近年ではしつけと称しての暴言・暴力、軟禁・監禁、育児放棄、性的虐待などさまざまな問題から結果的に子どもを死に追いやってしまうケースが目立つようになってきました。それに対し児童相談所の対応が不十分なのではないかという声が大きくなってきています。
児童相談所が問題に対して関わるべき機関や人は市町村の窓口、福祉事務所、警察、学校、保育所、医療機関、医師、保健師、弁護士、その他子供の福祉に関する職務についている関係者など非常に多方面にわたっています。
しかし近年の児童虐待問題は死に直結しそうなきわめて対応が困難で時間のかかる問題も多くなってきていることで児童相談所自体が対応に限界を感じているという実状があります。
近年では一時保護の対応の増加から都道府県によっては管轄する一時保護所が定員オーバーしているために他の都道府県などの管轄する一時保護所を一時的に活用させてもらうようなどの手段が取られています。
児童相談所は一時保護などをとおし問題のある家庭の支援を多岐にわたって行っています。一時保護をすることで終了ではなく、これが親子関係を再構築するためのはじまりでもあるのです。
しかし児童相談所職員がさまざまな手段を講じても残念ながら状況的に家庭復帰は絶望的と判断される場合もあります。その結果は児童相談所職員が自身の力不足ではないかと感じてしまうという精神的負担を負っている現状があります。
また逆の見解からでは児童相談所による一時保護が拉致的な形で強制的に保護者から引き離されてしまい、その後子供を返してもらうことができないということで裁判になるなどの問題も出ています。日本では児童相談所自体に課せられる負担は計り知れないものです。
判断に迷ったり思い誤ってしまうことで子どもが命を落としかねないという重責はあまりにも重たすぎるように感じます。
育児放棄・児童虐待などの問題がますます増加する中で、警察など確固たる立場のある組織との連携を今以上にスムーズにさせる一方で児童相談所の担当業務の細分化や職員の大幅な増員などの見直しが急務であるということを日本政府がもっと理解するべきなのではないでしょうか。
まとめ
一時保護など子供の命も左右する複雑で困難な児童相談所の対応(後編)
限界とも思える児童相談所の現状