幼児期はまだ 協調性 が芽生えていないのですが、小学校中学年くらいから「仲間」というかたちで社会の中での協調を始めます。子供の個性を活かしながら協調性を育てるには、日常の些細な出来事の感情を紐解いてあげてください。
子供の個性を活かして協調性を育てるには?
さまざまな性質の子供がいます
人は実にさまざまな性質を持っています。自己主張より仲間との調和を楽しむ性質の人もいれば、自分を押し殺してまで仲間に合わせるのは苦痛だとか、他人とのコミュニケーションが苦手で一人自由奔放にしていたい性質など、さまざまです。
金子みすずが記したように「みんな違ってみんないい」のです。しかしながら日本の文化風習は「出る杭は打たれる」ということわざもあるように、余計なことやさし出たことをすると嫌われます。
子供は純粋に仲間に入るより仲間に貢献したくて一人違うことをしただけなのに、「協調性が無い」とみなされてしまいます。貢献したかったという本人の感情を明らかにすることができれば悲しい思いもしなくてすむのです。
社会では協調性が不可欠です
毎日楽しく生きていくためには、誰かと衝突するよりも仲良く協力して、お互い気持ちよく生活しようとするのが社会です。子供も大人も、社会では協調性は不可欠です。
小学生後半から協調性が芽生えてくる時期に、友達の輪に入ることができない子には理由があるはずですので、日常生活の出来事からその時の気持ちを聞いてあげてください。
精神的な障害が原因の場合もありますが、そうではない場合はその子の持つ性質が影響しています。性質によっては協調性というハードルがとても高いため、協調することをやめてしまうかもしれませんし、協調出来ないまま誰かの助けを待っているかもしれません。
親としては、なぜそうしたのかその出来事について本人の正直な気持ちを聞き理解してあげる寛容な態度で、協調性のハードルを少しずつ下げてあげてください。
協調するとはどういうことか丁寧に教えて
協調するということは、互いに協力し合うことです。一人ではできないことでも、仲間と協力し合えばより大きな成果を達成することができます。大人の社会でも自治が安定するためや企業が成長するために「互いに協力し合うこと」は必要不可欠です。
しかしながら対立する相手や気が合わない相手とまで互いに協力し合うのは、非常に難しいものがあります。その場合は子供のその時の感情を聞いてあげた上で、相手を客観的に知ることを教えてあげてください。
苦手な相手の言動の真意について感情を込めずに見聞きすれば、同意はできずとも「そういう性質の人なのだ」と相手を理解することはできます。
自分と合わない部分は無理に合わせようとせず、むしろその部分だけは触らないように気をつけることで、同じベクトルに方向を合わせることはできるのだということを教えてあげてください。
個性より協調性を優先するのが辛いとき
現代社会は、協調性は協力することではなく、周りの顔色を伺うことや仲が良いふりをして無理をすることに変容してきています。
小学生も高学年になると、仲間と行動を共にしなくてはいじめられ、いじめられないように他の仲間に属して立ち回るなどの計画的な協調性が必要になります。
非常に残念なことですが、「生きづらい」協調性が発生していることは事実です。協調するのが苦しくて悩むのなら、いっそのことそのコミュニティから距離を置いた方がよいのかもしれません。
日本は周囲を気にして比較する傾向が強いですから、一度日本の外に出て他の世界を経験してみることも大切です。自分のペースで他人と協力し合える場所が見つかればそこが幸せなコミュニティとなるのです。
自身に合った協調社会を探して
心理学者アドラーの教えを著書にした「嫌われる勇気」はその題名から物議を醸したことは記憶に新しいですが、嫌われる勇気の真意は、社会から嫌われないように自分を押し殺して生きるのではなく、協調性が必要な社会であっても自分の考え方やスタイルに躊躇せず勇気を持って生きようというものです。
自分の考え方と近しい考え方をする仲間や、自分の生きていくスタイルと似ているコミュニティが必ずあるはずです。自分にとって価値ある協調社会を見つけて、今の自分が好きになれる協調性を発揮してください。
まとめ
子供の個性を活かして協調性を育てるには?
さまざまな性質の子供がいます
社会では協調性が不可欠です
協調するとはどういうことか丁寧に教えて
個性より協調性を優先するのが辛いとき
自身に合った協調社会を探して