協調性 とは、大辞林 第三版の解説では「他の人と物事をうまくやってゆける傾向や性質。」となっています。
では、子ども(幼児期)の社会で「他の人と物事をうまくやってゆける」とはどういったことを指すのでしょうか。 具体例 をあげてご説明します。
子どもの社会での協調性とは?具体例4つ
人の話をきちんと聞くことができる
コミュニケーションの第一段階は「聞くこと」です。相手の話を聞く姿勢ができてくれば、会話が成立してきます。
相手の言うことを聞こうとする姿勢、聞いたことに対して何かしらのアクションを起こそうとする姿勢が、協調性をうむきっかけになるのです。
幼児期には自分の主義主張をしっかりできることがとても大切なので、無理に話を聞かせようとか、会話をさせようとする必要はありませんが、成長の過程で、相手の話を聞き、会話ができるようになってくると良いでしょう。
親子の会話ができていても、同年代のお友だち同士を成立させるのは簡単なことではありません。まずはお友達同士で挨拶だけでもできるようになれば大きな成長といえるでしょう。
自分の意見を言うことができる
自己主張は子供の成長にとって大切なことです。大人からするとただのわがままなのではないかという主張も、その主張ができるようになったということが大きな成長といえます。
協調性と自己主張の関係は相反するようにも見えますが、会話をする際には自分の意見を言えなければ、会話は成り立ちません。
大人であれば、場の空気を察して、言わない方が得策だという思考もできますが、幼児期にそのような思考をすることはまず無理ですから、まずは意見を言い、言葉のキャッチボールができるようになることも協調性を育てる過程で必要です。
意見の言い合いのなかから、自分の主張、相手の気持ちなど、いろいろな視点でのものの見方を身に着けていき、徐々に「他の人と物事をうまくやってゆける」ようになっていくのです。
協調性を身につけるには、知識と経験が不可欠で、自己主張もその経験を得るために必要な過程なのです。
他者の気持ちを思いやることができる
他者を思いやる気持ちが生まれるのはだいたい5歳頃からだといわれています。
他者を思いやるとは、例えば泣いている友達に「大丈夫?」と声掛けができる、一人でいる子に「一緒にあそぼ」と声をかけることができる、などです。
こういった気持ちをもち、思いやりのある行為ができるようになってくると、他者とのコミュニケーションが円滑になってくるため、不毛なケンカなどのトラブルが発生しにくくなります。
大人でもそうですが、他者を思いやる気持ちというのは、自分に余裕がない時にはなかなか芽生えません。
感情のコントロールが難しい幼児期であれば、なおさら難しいことですから、親は自分の子どもの様子を見ながら、お友だちとの接し方を教えてあげられると良いでしょう。
集団行動のルールがわかり、それに従うことができる
5歳頃の子どもは、多くの場合幼稚園なり保育園なりに通い、集団行動をとるようになります。その中で集団生活をすることは協調性をはぐくむためにとても重要な行為といえます。
遊ぶのにも食事をするのにもルールがあるということを学ぶことで、人と合わせることを覚えていくのです。
具体的には、運動会やお遊戯会、発表会など、みんなで何かを成し遂げるという行為があげあられます。
また、日々の給食や朝の会、帰りの会といったルーチンワークの中でタイムスケジュールやマナーを学ぶことも協調性をはぐくむ行為といえます。
まとめ
ここまでご紹介してきた例は、成長の過程で徐々に身についていくもので、その成長スピードも個人差があります。
また、協調性というのは自己制御能力や自発性など、さまざまな心の成長と同時進行で培われていくものです。
周りができているのにうちの子だけできないと焦る必要はありませんし、いろいろな成長面の一部であることを理解しておいてください。
お友達など他者とうまく接することができたら「良くできたね」「すごいね」とほめてあげてください。そしてゆっくり見守る姿勢で子どもと接するようにしましょう。
まとめ
子どもの社会での協調性とは?具体例4つ
人の話をきちんと聞くことができる
自分の意見を言うことができる
他者の気持ちを思いやることができる
集団行動のルールが分かり、それに従うことができる
まとめ