モンテッソーリ 教育とは、イタリアの女性医学博士であるマリア・モンテッソーリの考案した教育法で、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグやamazon 創業者のジェフ・ベゾス等がこの教育を受けていたとして近年日本でも注目を集めている教育法です。
ここではこの教育を行っている 幼稚園 の教育内容と、通わせる際の注意点をお話します。
モンテッソーリ教育を行う幼稚園の教育内容と注意点
モンテッソーリ教育の5つの「お仕事」について
モンテッソーリ教育とは、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学びつづける姿勢を持った人間に育てる」ことを目的とした教育です。
まずはその教育の根幹にある「5つのお仕事」についてお話します。お仕事とは「日常生活」「感覚」「言語」「算数」「文化」の5つの教育のことです。
お仕事内容については、例えば「感覚」のお仕事では、ベルを使って音の高低を識別する知識や感覚を身に着けるなど、それぞれのお仕事に合った教材を用意して教育を行います。
教材には、安全面と衛生面に配慮され、色彩や形状が園児の興味をひくようなものが多く選ばれています。
モンテッソーリは0から6歳までを敏感期と呼び、成長過程のうちもっとも重要な期間だとしています。そのため、この期間に興味を持つことは十分にさせてあげようという考えから、それぞれのお仕事で園児がやりたいものをやれるような環境を作っています。
教育内容について
基本的には園児の自主性を重んじる教育方法で、先生は園児のお手伝いをするというスタンスで接していますので、園児から要請がなければ基本的には手も口も出しません。
園児は自分がしたいお仕事を見つけてそれを行い、また次の興味の対象が見つかったらそれを行います。
お仕事中に起きたトラブルに対しても、先生はまず静観します。そして園児が自らトラブルに対処するのを見守ります。例えばお仕事中に教材が壊れた時も先生は手を出すことはなく、園児が自ら教材を直すなどの行動を起こすのを待ちます。
とにかく園児が自発的に行動するのを待つため、したいことが見つからない園児は教室をフラフラと歩き回ったりしている子もいますが、先生は何も言いません。
ただ、園児を全く放置というわけではなく、教えなくてはいけないお仕事をしている園児に対してはつきっきりで教えます。
教え方は、言葉ではなく行動で、見せて教える方法を取っており、とにかくゆっくりと、地道に何回も繰り返し見せることで園児に教えます。そうすることで、教えられる側である園児の集中力も養うことができるのです。
モンテッソーリの教育は、勉強ができるようになるためではなく、生きるために必要な力をいかに養うかという教育です。ですから園児の自主性を重んじ、先生はあれこれ口出ししないのです。
先生主導ではないので園児は自ら考え行動するようになります。それだけでなく、園児同士で話し合う機会も増えるので、話し合いながら考える力も身につきます。
こうしてみると、先生が一体何をしているのか疑問に感じるかと思いますが、この教育では、先生はとにかく園児一人一人を良く見ています。そして園児一人一人にしかるべきタイミングで最適な教育ができるように見守っているのです。
具体的には、園児が興味を持ったことを満足いくまでできるように教材を吟味し用意しておくことや、園児が助けを求めている時にタイミングを逃すことなく手を差し伸べられるよう、常に準備をしておくことなどがあげられます。
集団行動を主とする一般的な幼稚園とは明らかに違う教育方針のため、自分の子どもを通わせようと思うのであれば、その幼稚園の教育理念や方針をしっかり理解し、納得してから通わせるようにしましょう。
子どもを通わせる際の注意点
テレビや雑誌でも取り上げられるようになり、ここ数年でモンテッソーリ教育を行う幼稚園が増えています。ですが、全ての幼稚園が厳密にモンテッソーリの教育方針に基づいているわけではないようです。
方針の一部分だけを切取って行っているだけの幼稚園も中にはあるようなので、見学の際にしっかり方針や理念、教育内容を見極めておく必要があります。
そして特殊な教育環境なので子どもにとっても合う合わないがあり、合わない子どもにとってはとても苦痛な環境になってしまう可能性があります。親が通わせたいからというだけでなく、自分の子どもに合っているかもしっかり検討して下さい。
また、自主性を重んじるがゆえに個性的で自分の考えをしっかり持った子どもになりますが、それは逆に言えば集団行動ができず、協調性がないともとられてしまいます。小学校以降、いわゆる日本の教育環境に馴染めないリスクもあることを頭に入れておいてください。
そして、モンテッソーリ教育は本来24歳までを教育期間としているため、幼稚園の時期だけこの教育を受けても、それが将来どのように身になっていくかが未知数です。
将来にわたってこの教育を役立てていきたいのであれば、家庭でもできることは継続していった方が良いでしょう。
まとめ
モンテッソーリ教育を行う幼稚園の教育内容と注意点
モンテッソーリ教育の5つの「お仕事」について
教育内容について
子どもを通わせる際の注意点