乳児にはモロー反射があり、知らない方にとっては「うちの子は病気かな?」と心配をすることもあることでしょう。
しかしモロー反射は乳児が成長する過程において、必要不可欠な動作といっても過言ではありません。また モロー反射 は いつまで 続くのか、みていきます。
モロー反射は病気ではない|いつまで続くのか
モロー反射は病気ではない
モロー反射は「点頭てんかん」の症状に似ているため、「自分の子は大丈夫?」と心配する方もいるかもしれません。
しかし症状は似ているものの、まったく異なるものであり、モロー反射は病気ではないのです。そのためまずはモロー反射と点頭てんかんの違いを理解することが重要といえるでしょう。
点頭てんかんは生後3ヶ月~11ヶ月頃の乳児が発症するてんかんの一種であり、「ウエスト症候群」とも呼ばれています。そして点頭てんかんは乳児がおこす発作では、最も悪質な発作です。
発症すると高確率で精神運動発達障害が残る、おそろしい発作といわれています。また特徴として以下4つの症状がみられます。
- 3歳未満の乳児が発症し、3歳以上で発症するケースはまれ
- 突然、両手をあげながら頭をたれる(これが点頭とよばれる)
- 全身性ミオクロニー発作がみられる(おじぎをするような格好で身体を曲げる)
- 全身性ミオクロニー発作を5秒~10秒ごとに数回~数10回くりかえす(シリーズ発作とも呼ばれている)
なお原因は2つです。1つめは、何の異常もなく成長していたにもかかわらず、突然発症してしまいます。こちらは「原因不明」なケースがほとんどです。しかし早期の発見、治療により完治することがあります。
2つめは、生まれつきの脳奇形やダウン症、髄膜炎(ずいまくえん)や頭蓋内出血が原因、つまり「先天性」が原因で発症する場合もあるようです。
対してモロー反射は、乳児におこる「原始反射」です。モロー反射は点頭てんかんのような発作とは違い、外部からの刺激に対して自分の身を守るための反射といわれています。モロー反射の特徴は以下の3つです。
- 寝ている時に手足がびくつく
- うでを伸ばし、指を広げた格好になる
- 抱いていた手をゆるめると、抱きつく
モロー反射は大きな音、光などの刺激に反応しておこります。ときには自分のモロー反射に驚くことではげしく手足を動かし、もがくような動作もするようです。また自分のモロー反射に驚くことにより泣き出してしまい、なかなか泣きやまないケースも多いのです。
以上のようにモロー反射は点頭てんかんとは異なり、成長するうえで欠かせない「動作」といえます。そして外部の刺激から自分の身を守ろうとする「本能」からおこるものであり、けっして病気ではありません。
逆にモロー反射が弱い場合、核黄疸や脳に障害がある可能性も否定できないようです。また低血糖の状態であれば、モロー反射がひんぱんにおこるともいわれています。
上記の症状がある、または疑いがあると感じたのであれば、一度病院で診察をうけることを検討しましょう。
モロー反射はいつまで続くのか
モロー反射がなくなる時期は個人差が大きいため、一概に断定はできません。一般的には、4ヶ月~6ヶ月ていどでなくなるといわれています。また首や腰がすわることでもなくなるようです。
しかし中には、モロー反射がなくなるまで8ヶ月ほどかかったというケースもあります。したがってモロー反射は、「4ヶ月~8ヶ月程度続く」といえるのではないでしょうか。
モロー反射は短い。成長を見守ろう
前の項で説明しましたが、モロー反射は4ヶ月~8ヶ月ていどでなくなります。そして乳児期のわずかな期間しかみることができません。いいかえますと、その時期以外に「2度と」みることがないといえるでしょう。
モロー反射は変わった動作であることは否定できません。繰りかえしますが「けっして病気ではなく」、乳児が成長するために欠かすことのできない動作といえるのではないでしょうか。
「今しかない」モロー反射をしっかりと目に焼き付け、我が子の成長を見守っていきましょう。
まとめ
モロー反射は病気ではない|いつまで続くのか
モロー反射は病気ではない
モロー反射はいつまで続くのか
モロー反射は短い。成長を見守ろう