乳歯 が 抜けない と心配になるものです。乳歯は、早い子では5歳、遅くても8歳頃から抜けはじめますが、歯の生え替わりには個人差があるのでなかなか乳歯が抜けない子供もいます。
今回は、子供の乳歯がスムーズに生え替わらない原因と対処法をご紹介します。
乳歯が抜けない ~ 乳歯がなかなか抜けない原因~
乳歯の根がうまく溶けない
永久歯は乳歯の下で生えるべきタイミングを待っており、準備ができると乳歯に近づいて根を溶かし、抜けた後に生えてきます。
このときに永久歯の生える方向がずれていたりすると、根の一部が残ってしまい、乳歯はなかなか抜けることができません。
乳歯のグラグラが大きいようなら、自然に抜けるのを待っても問題ありません。子供も気にして自分で触って動かしますし、なるべく歯ごたえのあるものを食べさせて刺激を与え、生え替わりを促します。
ただし、生え替わる気配はあるのに何ヵ月も乳歯が抜けない、グラグラが大きくならない、というような場合には、放っておくと乳歯の横や後ろに永久歯が生えてきてそのまま固定してしまうこともあります。
歯科医院を受診して抜歯などの適切な処置を受けることをおすすめします。
永久歯の先天性欠如
最近では、本来なら乳歯の下にあるはずの永久歯がそもそも存在しない「先天性欠如」の方も増えています。
根を溶かす永久歯がなければ、乳歯は抜けることができません。
生え替わらない乳歯はそのまま使い続けることになりますが、10代、20代の若い年齢で抜けてしまうケースもあります。
ですので、その場合には、ほかの永久歯を少しずつ移動させ、乳歯が抜けたスペースを埋める矯正や、ブリッジ、インプラントなどの治療が必要となります。
癒合歯
「癒合歯」の状態とは、2本の歯がくっついた状態で生えている状態を指します。
この場合には、乳歯の根は2本分あるので、片方の永久歯が近づきはじめても、一方の根しか溶かされず、もう一方の根はそのまま残ってしまいます。
永久歯が、生えたくても顔を出すことができませんし、根が溶けていない方の乳歯はもう一方のグラグラに影響されて痛みはじめる可能性も考えられます。
癒合歯が生え替わる気配を感じたら、早めに歯科を受診して、しかるべきタイミングで抜歯しましょう。
乳歯が揺れていない場合は、永久歯がはえるのには時間がかかりますが、歯科医師の判断で適切に治療が行われている限り、心配する必要はありません。
乳歯を抜くタイミング
自然に抜けることがほとんどの乳歯ですが、中には歯科で抜いてもらった方が良いケースもあります。
では、どのタイミングで受診すれば良いのか、迷う方も多いでしょう。目安は「永久歯が見えているか?」です。
グラグラしている乳歯を発見したら、まず周囲に永久歯が顔を出していないか確認します。
見当たらなければ自然に抜けるのを待っても大丈夫ですが、見えているならそのままにせず抜歯したほうが、永久歯がきれいに生え揃うといわれています。
歯科医院では通常表面麻酔を使って乳歯を抜くので、子供が痛みを感じることはまずありません。他に問題がなければ処置は2、3分程度で終わります。
保険が適用されるので患者の負担は1,000円程度。抜けない乳歯をほおっておくと、子供は無意識に手で触り続けますので細菌感染を起こす心配もあります。
歯並びにも影響しますので、永久歯が見えているのに乳歯がなかなか抜けない場合には一度かかりつけの歯科医に相談されることをおすすめします。
また、永久歯が2/3ほど見えているのに乳歯が抜けない、乳歯からかなり離れたところに生えてきている、というケースでは抜歯以外の治療が必要になることもあるので、早めに受診しましょう。
永久歯の歯並びに影響する
乳歯の生え替わり方は永久歯の歯並びに大きく影響します。歯並びが悪いと磨きづらく虫歯になりやすいのはもちろん、審美的にも問題をきたすもの。一生使う永久歯ですから、これは非常に困ります。
歯並びを整えるためには歯列矯正が必要になりますが、保険が適用されないため高額な費用がかかり、治療を断念せざるを得ないケースもあります。
生え替わりの段階で必要な処置をしておくことで回避できる出費もありますので、お子様の歯に少しでも疑問を持ったら早めに歯科医に相談してください。
まとめ
乳歯が抜けない ~ 乳歯がなかなか抜けない原因~
乳歯の根がうまく溶けない
永久歯の先天性欠如
癒合歯
乳歯を抜くタイミング
永久歯の歯並びに影響する