皆さんは「 節分 」と聞くと何をイメージしますか?すぐに鬼や豆まきの イラスト が思い浮かびます。節分が近くなると、鬼のお面やおたふくさんのお面のおまけがついた煎り豆がスーパーやコンビニの店頭に並びます。家族で楽しめる身近な行事の1つです。
節分で鬼や豆まきのイラストが使われるのはなぜ?
そもそも節分とは何?
皆さんは、節分が4つあるということを知っていましたか?
節分とは、24節気、5節句の他に、季節の移り変わりをより適確に掴むために設けられた特別な暦日である雑暦の1つで、各季節の始まりの日である、立春、立夏、立秋、立冬の前日のことを指します。
つまり節分とは「季節をわける」ことを意味しているのです。日本では、立春は1年の始まりとして特に尊ばれていたため、江戸時代以降、次第に節分といえば春の節分のみを指すようになったようです。
節分は、毎年恒例の行事で、2月3日で固定だと思っている人も多いかもしれませんが、実はそうではありません。
太陽の角度が315度になった日(立春)の前日を指すことが多いため、2020年までは2月3日ですが、2021年は2月2日、2022年から2024年は2月3日、2025年は2月2日となります。
地球は1年で太陽の周りを1周します。地球が太陽の周りを回る360度を24等分した点をそれぞれ1年の季節に割り当て、太陽の黄道(太陽が動く道筋)の点によって季節が定まっていきます。
1年は365日できっちり24等分できず毎年ズレが生じます。そのため、節分の日も変動する、というわけです。
鬼の色は赤と青だけ?実は、カラフルな鬼たち
鬼というと、「手には金棒を持ち、虎の皮のパンツをはいた頭に牛の角の生えた赤鬼」が思い浮かびませんか?
ですが、仏教の五蓋(修行の邪魔をする5つの煩悩のこと)に結びつけられている鬼の色はカラフルで、赤、青、黄(白)、緑、黒と戦隊モノのヒーローのようです。
ちなみに、「赤鬼」は渇望や欲望、全ての悪心の象徴で、豆をぶつけることで自分の中の悪い心が取り除かれ、「青鬼」は悪意、憎しみ、怒りの象徴で、貧相で欲深い自分自身に豆をぶつけることで福相、福徳に恵まれるのだとか。
また「黄色(白)鬼」は心の浮動、後悔の象徴で、豆をぶつけることで自己中心的な甘い考えを取り除き、公平な判断ができる心になるのだそうです。鬼が手に持つ武器も金棒の他に刺股や薙刀、斧や両刃鋸などそれぞれ違うのも面白く感じます。
中国では鬼(gui)は「き」と読み、人間の霊魂あるいは亡霊を意味します。日本では初期の段階で霊的な存在一般をあらわすのに使用し、人間の目に見えない災害や病気などすべて鬼の仕業であると考えられていたようです。
魔除け、厄除け、息災祈願の節分行事
季節の変わり目に邪気(鬼)が生じると考えられており、これを祓うために古くから豆まきなどの行事が行われてきました。節分の行事の始まりは、平安時代の「追儺(ついな)」という厄災を払い、新年を迎える宮中行事だったと言われています。
追儺は「鬼やらい」ともいわれ、元々は中国の風習でした。旧暦では元日と節分の日が近かったため、本来は大晦日に行っていたこの行事が節分に行われるようになったといいます。
「節分に豆をまく」ことは追儺の儀式に基づいたもので「魔の目を打つ」「魔を滅する」に通ずるという説があります。
日本では、昔から穀物や果実には邪気を祓う霊力があると力があると考えられ、豆をまくことで豆の霊力により邪気を祓うということなのです。鬼に豆をぶつけることで邪気を追い払い、一年の無病息災を願う意味があります。
魔除けとして、豆まきの他に柊鰯(ひいらぎいわし)があります。柊の小枝と焼いた鰯の頭、あるいはそれを門口に指したものを言います。
柊の葉の棘が鬼の目を刺すので門口から鬼が入れず、また、匂いの強いものには邪気を祓う力があると言われていることから、塩鰯を焼く臭気で鬼が近寄らないという説があります。
まとめ
節分で鬼や豆まきのイラストが使われるのはなぜ?
そもそも節分とは何?
鬼の色は赤と青だけ?実は、カラフルな鬼たち
魔除け、厄除け、息災祈願の節分行事