赤ちゃんを母乳で育てているお母さんの悩みのひとつに、いつまでおっぱいを飲ませれば良いのか、ということがあります。赤ちゃんの健康や成長にとって最適な 卒乳 とはどんなものなのでしょうか。母乳育児をしているお母さんのそんな悩みについて考えてみます。
おっぱいはいつまで?知っておきたい卒乳について
卒乳とはどんなこと?断乳との違いについて
卒乳という言葉も断乳という言葉も、母乳育児をしているお母さんでしたら聞いたことがあるのではないでしょうか。どちらも大きな意味では「赤ちゃんがお母さんのおっぱいを飲まなくなること」というものですので同じ意味ではありますが、詳細は全く別のものとして考えられています。
卒乳は、赤ちゃんが自然におっぱいを飲まなくなることをいい、断乳はお母さんの意思でおっぱいをやめさせる、といった少し強い意味があります。
昔の母乳育児では断乳をさせることが多かったため、母乳育児をしているお母さんは自分の親や義理の親から断乳をすすめられることがあるかもしれません。
断乳は必要なことなのか?
赤ちゃんが離乳食から栄養をとれるようになってきているのであれば、赤ちゃんの体の成長にとって断乳が影響を与えることはありません。また、お母さんにとって断乳した方が良い場合もあります。授乳中のお母さんは、母乳のために口にするものに制限があります。
具合が悪くても薬を飲むことができなかったり、カフェインや刺激の強いものを控えたりと、食事内容にも気をつけなければいけません。
また夜中の授乳は、冬の寒い時期などは大変つらいものです。授乳に対して、お母さんが悲鳴をあげているような状態でしたら断乳を選択するのも良いでしょう。
断乳よりも卒乳を選ぶお母さんが増えている
断乳はお母さんと赤ちゃんとの戦いでもあります。まだはっきりお母さんの言葉を理解できない赤ちゃんに、もうおっぱいはなしなんだよ、と大好きなおっぱいをがまんさせなければいけないのです。
泣き叫んでおっぱいを欲しがる赤ちゃんの姿を見ていると、母親として心が痛むでしょう。心を鬼にしなければ断乳は成功することができないのです。
最近は、そこまでして断乳を行う必要はない、と考えるお母さんが増えています。授乳している時間というのは、母と子にとってとても貴重で大切な、心を結び付ける絆でもあります。そんな時間を大切にして、赤ちゃんがおっぱいを欲しがる間は与え続けるお母さんが増えてきています。
卒乳が遅いことで起こるデメリットは
赤ちゃんが自然に卒乳することを選択したとしても気になるのが、卒乳が遅くなることで赤ちゃんにとって何かデメリットがあるのではないか、ということです。
特に気になるのが虫歯に関してではないでしょうか。しかし母乳が虫歯の原因になる、といった医学的根拠はありません。逆に母乳に含まれる成分により虫歯になりにくくなる、といった研究結果があるようです。
赤ちゃんが虫歯になる原因は、ほとんどが離乳食などの食事の際についてしまう歯垢の場合が多いです。歯みがきをきちんと行っていれば、授乳を続けていたとしても虫歯を防ぐことができます。
また、母乳を吸い続けることにより歯並びが悪くなるといった話しもありますが、こちらも根拠があるわけではありません。
授乳できる時間はかぎられている
どんなに卒乳が遅い子であっても、多くの子どもは3歳から4歳ぐらいにはおっぱいを飲まなくなってしまいます。授乳中の穏やかな子どもの表情を眺めることができるのは、親子の間のほんの数年なのです。
もちろん、お母さんの身体的な理由やお仕事への復帰などやむを得ない場合は断乳をすべきですが、そういった理由がない場合、卒乳に関してお母さんが悩む必要はないといえます。
子どもにとっても、お母さんのおっぱいを飲んでいる時間は、心が穏やかになる、1番安心できる時間でもあります。
2人が幸せに過ごせる時間なのですから、いつやめれば良いのかを悩まずに、子どもの気持ちにそって卒乳することがお母さんにとっても赤ちゃんにとっても幸せなのかもしれません。
まとめ
おっぱいはいつまで?知っておきたい卒乳について
卒乳とはどんなこと?断乳との違いについて
断乳は必要なことなのか?
断乳よりも卒乳を選ぶお母さんが増えている
卒乳が遅いことで起こるデメリットは
授乳できる時間はかぎられている