子供が幼い頃には自然とスキンシップをとっているものですが、実は スキンシップ には脳内ホルモンを促す大きな 効果 があることがわかってきました。スキンシップ不足のまま子供が成長してしまうと、後から思わぬ弊害が出てしまうことがあります。
スキンシップの重要性とその効果についてご説明していきます。
子供の将来を左右するスキンシップの効果
スキンシップが脳内ホルモンの分泌を促す
赤ちゃんは生まれた時から、五感のうちの触覚が最も発達しています。親から抱かれたぬくもり、気持ちよさは皮膚から脳に伝わります。
その時に分泌されるのが、「愛情ホルモン」「きずなホルモン」とも言われる「オキシトシン」です。オキシトシンは、人への信頼感を高め、安心感と心の落ち着きをもたらします。
その結果、親子関係が安定し、いろいろなことにチャレンジしたり、人との温かな関係を築くことができ、その後の精神的な自立につながっていきます。
また、スキンシップは心の安定をもたらす「セロトニン」や、やる気をもたらす「ドーパミン」、また成長ホルモンの分泌も促してくれます。
それらのもたらす落ち着きや集中力、チャレンジ精神などは、いずれも子供の健やかな成長には不可欠なものであり、成長期の子供にスキンシップがどれだけ重要か、おわかりいただけることでしょう。
スキンシップが不足した場合
幼少期にスキンシップが不足すると、成長してから思春期などに弊害が出てくる場合があります。
オキシトシンの効果を逆にしたような状態、つまり落ち着きがなく不安を強く感じ、情緒不安定でキレやすい状態になったり、人に対する懐疑心が強く、うまく人間関係が作れないといった弊害です。
親子関係が安定しないため、自分に自信がなく自尊感情も低くなりがちで、新しいことに踏み出せず、人間関係もうまくいかないことで、精神的な自立も遅れがちになってしまいます。
スキンシップを「卒業」しない
赤ちゃん期は授乳や抱っこであやすなど、スキンシップが濃密ですが、子供が成長するにつれスキンシップを「卒業」してしまう親子も多いのではないでしょうか。
子供に対する親のスキンシップは、成長してからも大きな効果があります。子供の頃、腹痛を起こした時など、母親に手をあててもらっただけで不思議と痛みが軽減した記憶を持つ方も多いのではないでしょうか。大好きな人とのスキンシップには不思議な力があります。
海外の「ハグ」の習慣は、日本では残念ながらありませんが、ハグの代わりに頭や背中をポンポンとしてやる、そっと背中や肩に手を当てるなど、ソフトなスキンシップは大きくなった子にも可能です。
大喜びするようなできごとがあった時に、ハイタッチしたり自然に軽くハグしてみるのもよいでしょう。子供は照れくさそうにはするでしょうが、いくつになっても親からのスキンシップは内心ではうれしいものです。
スキンシップが子供の将来を左右する
幼い頃に母親と温かい関係を築けていた人は、成長してからの学歴や年収、生活満足度が高い傾向にある、という調査結果があります。
幼い頃に母親とのスキンシップが充分とれていると、自分が愛されているという安心感から、好奇心をもっていろいろなことにチャレンジでき、人への信頼感が高いためコミュニケーションにも長けて社会性も伸びていきます。
たかがスキンシップと思われるかもしれませんが、子供の将来にわたり、このように大きな影響力があります。子供と温かなスキンシップを取れている時間は、子供のみならず親の方にもオキシトシンが分泌されています。
その結果、親の方も情緒が安定し、子供に対する愛情もますます強くなります。子供の将来を左右するスキンシップ、子供の成長する過程で、大きくなってもできるだけ長く与え続けてあげてほしいものです。
まとめ
子供の将来を左右するスキンシップの効果
スキンシップが脳内ホルモンの分泌を促す
スキンシップが不足した場合
スキンシップを「卒業」しない
スキンシップが子供の将来を左右する