小さな子供は体調不良を起こすことも多く、万全の状態で予防接種を受けることができないことも少なくありません。 予防接種 を受ける時、 鼻水 が出ている場合は接種しても大丈夫なのでしょか?予防接種の仕組みと合わせてご説明します。
鼻水は大丈夫?予防接種で注意したいこと
予防接種はなぜ行うの?
予防接種とは、重大な病気にかかってしまう前に予防をするためのものです。
人間に有害なウイルスや細菌が体内に入ると、免疫という機能が働きウイルスや細菌をやつけようとします。しかしそのウイルスや細菌などが初めて体内に入った時、免疫は対応が遅れてしまい症状の悪化を招くことが多くあります。
そのため事前にウイルスや細菌を体内へ入れることで、免疫に対応方法を覚えてもらう(抗体を作る)のが「予防接種」です。
予防接種で使用されているワクチンには大きく分けると「生ワクチン」、「不活化ワクチン」の2種類があります。
「生ワクチン」とは生きているウイルスや細菌の毒性や発病性を弱めたものです。
「不活化ワクチン」とは、死んで毒性を失ったウイルスや細菌の成分で作られたものです。
予防接種ではそれぞれの病気の特性に合わせ、できるだけ人体に負担がかからず安全に摂取ができるようワクチンが作られています。
予防接種を受けてはいけない人とはどんな人?
予防接種法では予防接種の対象から外れる人が定められています。
接種当日に明らかな発熱(通常37.5℃以上)がある人、症状が重い急性疾患(上気管支炎・咽頭炎、気管支喘息など)にかかっている人、予防接種でアナフィラキシーショック(じんましんや呼吸困難など強いアレルギー反応)を呈したことがある人、麻疹と風疹の予防接種では妊娠している人、過去に免疫不全と診断を受けている人、その他予防接種を受けることが不適当な状態にある人です。
予防接種を受ける前には必ず医師の診察がありますので、薬を飲んでいる場合や心配なことがある場合は、接種前に医師へ相談することをおすすめします。
判断に困る鼻水 症状が現れ始めた時期に注意
発熱と違い予防接種を受けて良いのかどうか判断に悩むことの一つに鼻水があります。特に自分の体調を言葉で上手く伝えることのできない小さな子供は、普段の様子と比べて体調の良し悪しを判断しなければなりません。
そこで注意したいのは、鼻水が出始めた時期です。風邪をひいて発熱や咳、鼻水などの症状があり、予防接種前にはだいぶ症状が落ち着いたものの、鼻水が出ているという場合では、治りかけの状態と予想でき、予防接種を受けても大丈夫なケースと言えます。
しかし、予防接種の前日や当日に鼻水が出始めた場合、これからどのように症状が進むのか判断できないため、様子をみなければならないケースになります。
予防接種はあまり体調に左右されないと言われていますが、生ワクチンでは、生きたウイルスや細菌を使用しているため、実際に軽く感染した状態になります。そのためできれば体調がよい時の接種が進められています。
予防接種では鼻水だけではなく、発熱や咳などの症状、子供の機嫌や食事量などと合わせて医師に相談し、接種可能かどうか判断することが大切です。
体調不良時に予防接種を受けない方がいい理由
体調が悪い時に予防接種を控えるよう言われるのには、主に2つの理由があります。
1つ目は、風邪や気管支炎、咽頭炎など症状が急に出るような病気の場合は、体の中でそれらの病気を退治するための働きを行っています。
しかしそこに新たに予防接種のワクチンが入ることで、元の病気とワクチン接種した分のどちらともに抗体を作らなければならず、それぞれの抗体作りが中途半端になってしまう可能性があるからです。
2つ目は、予防接種後に起こる可能性がある副反応の判断が取りづらくなるためです。予防接種後に発熱や発疹などの症状が現れた場合、風邪や気管支炎が原因なのか、予防接種が原因なのかの判断が難しくなります。
まれに起こる重篤な副反応は、体調の良し悪しに関係なく、多少体調が悪くても予防接種の副反応が強く出やすいなどのことは、医学的には心配ないと言われています。
しかし絶対に大丈夫と言い切ることは出来ませんので、心配な場合はかかりつけ医とよく相談し、納得した上で接種をすることをおすすめします。
まとめ
鼻水は大丈夫?予防接種で注意したいこと
予防接種はなぜ行うの?
予防接種を受けてはいけない人とはどんな人?
判断に困る鼻水 症状が現れ始めた時期に注意
体調不良時に予防接種を受けない方がいい理由