「サポートがあれば救える幼児虐待(前編)」では、幼児虐待の現状とどのような行動が幼児虐待にあたるのかご説明いたしました。後編では 幼児 虐待 の原因、またどうしたら幼児虐待が減少するのか考えていきます。
サポートがあれば救える幼児虐待(後編)
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幼児虐待の原因とは?
幼児虐待に向かってしまう1つ目の原因とは核家族化です。
子育てに関する悩みの相談や助言が欲しい場合でも核家族化により祖父母の手を借りることなく母親一人で解決しなければならない状況に置かれてしまっていることは、育児不安が溜まりやすく虐待に走ってしまう大きな要因と言えます。
2つ目の原因は地域・近所との関係の希薄化です。近年では近所付き合いはとても希薄になっています。子育て中は子供の騒ぐ声や泣き声などが近所の迷惑になっていないかということが常にストレスになります。
付き合いが希薄である場合、近所の人から子育てに関する理解も得づらく苦情を受けるなど関係を悪化して益々ストレスを感じることもあります。
3つ目は経済的な問題です。ここ数十年の不景気のあおりから定職に就きづらい、収入低下などが著しくなっています。特に若くして結婚・出産をした夫婦は自分たちの生活自体も切迫した状態の中でお金がかかる子育てをしなければならないことが大きなストレスとなっています。
こういった状況に耐えきれず結婚生活が長く続かずシングルマザーやシングルファザーとなってしまい益々生活不安とストレスを抱えることで幼児虐待に走りやすいのです。
4つ目の原因は子供の病気です。子供の特徴によって子育ては十人十色です。育児書さえあれば完璧に出来るというものではありません。特に子供が持病があったり先天性異常を抱えていた場合、母親だけの知識では見つけにくいものが多々あります。
何度言ってもいうことを聞かない、同じ失敗を何度も繰り返す、かんしゃくが激しいなどは病気の可能性もあります。病院や専門機関に相談すれば道が開きやすいことも母親一人で抱え込んでしまいストレスを溜め続けてしまい子供に手をあげてしまうのです。
幼児虐待を無くすためには?
現在市町村の児童に関する相談窓口の担当職員の7割は兼務だそうです。相談担当職員の37%は一般行政職、児童福祉司任用資格相当の職員は8%弱、社会福祉士はわずか2%となっています。
核家族化が進み地域との関わりも希薄になっている近年では、親身になって母親たちの悩みに耳を傾けてもらえる児童専門相談窓口や専門相談員の役割が重要となります。市町村は専門員を確保して相談窓口としての充実度を向上させることが急務といえるでしょう。
また地域の同じ子育てする親たちの中にも虐待を思わせる言動や行動が見られた場合、必ず地域の児童相談所に連絡することをお勧めします。相談所では通報者情報は伏せて活動をします。
児童虐待を少しでも未然に防ぐためにも見てみぬふりは子供を命の危険にさらしてしまう可能性もあります。自分自身で声をあげられない子供たちのためにも周りの人たちが少しでも子育て世帯を温かい目で見守ってあげることは非常に大切なことと言えるでしょう。
そして子育て中の親世代もできる限り近所を始め地域との関わりを持つことをお勧めします。関わりがないままの中では子供の泣き声を騒音と捉える人たちも少なくありません。
しかし繋がりがあれば少なからず子育て中であることを知ってもらえて、中には好意的に思ってくれてサポートしてくれる人も出てくるかもしれません。地域の人たちと関わりを持つことでより子育てしやすい環境作りができることは確かです。
まとめ
サポートがあれば救える幼児虐待(後編)
幼児虐待の原因とは?
幼児虐待を無くすためには?