「成長度に合わせた幼児食の進め方のい・ろ・は(前編)」では、乳歯の生え方と離乳食や幼児食の始め方についてご説明いたします。後編では、赤ちゃんから幼児期までの食べ方の変化や 幼児食 として理想的なメニューをご紹介いたします。
成長度に合わせた幼児食の進め方のい・ろ・は(後編)
乳幼児期の食べ方の変化
口から飲食をする行動として、母乳やミルクだけの生活の時期には赤ちゃんは口に加えたものに対して反射的に吸いつく吸啜(きゅうてつ)という動きだけでした。
それが離乳食時期には吸う力ではなく、あごや唇を動かすことによってスプーンなどから口にすくい入れるような食べ方をすることが可能になります。
そして1歳頃になると奥歯(乳臼歯)が生える前兆として歯茎が浮き出てくるために自然とその歯茎を使って食べ物を噛み砕くような行動が始まります。
奥歯から1本手前の第一乳臼歯が生え揃う1歳8ヶ月頃までは歯茎や前歯だけで食べ物を噛んでいます。第一乳臼歯が生え揃うと奥歯を使った咀嚼(そしゃく)と言って食べ物を細かく噛み砕くことを学習し始めることになります。
2歳半過ぎから3歳前頃に最も奥歯となる第二乳臼歯が生え揃うことによってやっと乳歯全てを使って幼児食が食べられるようになりますが、上手に咀嚼しながら食べることができるようになるのは3歳を過ぎてからになります。
月齢別の幼児食メニューの立て方とは?
より多くの栄養素をバランスよく摂取することがとても重要です。それに加えて成長度合いに合わせた硬さを考えた調理法をする必要もあります。
奥歯から1本手前の第一乳臼歯が生え揃う1歳8ヶ月頃まではまだ食べ物をすり潰すことができないため豆腐や麺類、パン類、野菜などを少し長めに煮て軟らかめに仕上がるように作りましょう。
またこの時期はまだスプーンなども上手に使えないためとろみをつけたり一口で簡単に運べるものが理想的です。
最も奥歯にあたる下の第二乳臼歯が生え揃う3歳頃になるとやっと食べ物をすり潰すことができるようになって多くの食品を食べることができるようになります。
メニューとしてはほぼ大人と変わらないものに徐々に移行していっても良いでしょう。しかし味付けや硬さに関してはまだ十分考慮する必要があります。
野菜なども少し歯ごたえを残したり、海苔を使ったものや噛み切れる程度の柔らかさにした葉物などさまざま食感を経験させていくようにしましょう。
ただし幼児食全般に言えることは味覚異常になることを避けるために基本的に薄味にして刺激の強いスパイスを使った料理は避けるようにしましょう。カレーなどはきちんと子供用のものを使うようにしましょう。
幼児食を考える際の注意点
戦後から日本では玄米や魚、葉物、根菜類など多くの咀嚼を必要とする献立が食卓に並んでいました。しかしここ数十年でファストフードなど欧米化した献立が日本中に浸透して誰もが容易に口にする機会が増えました。
そのことにより乳歯から永久歯に生え変わる成長期に咀嚼をあまりしないことであごが細い子供たちが増加しました。咀嚼が少なくあごが細く成長してしまうと永久歯が生え揃うだけのスペースの確保ができず永久歯全ての本数が生えきらないという子供が増えているそうです。
幼児食期にはまだ乳歯が生え揃ったばかりのためあまり硬い食べ物を与えることは難しいでしょう。しかし永久歯への生え替わりに備えて多少噛み応えあるアタリメや煮干しなどをおやつ感覚で与えると咀嚼回数が自然と増えて安定したあご作りに良いと言われています。
また子供の食が進むからと言って甘いものや味の濃いものなど欲求に任せて与えすぎてはいけません。何よりも一生涯食べていく食事の基礎となる大事な時期です。好きな物ばかり与えるのではなく、多くの食材を使ってできる限りバランスよい食生活を過ごせるように心掛けましょう。
まとめ
成長度に合わせた幼児食の進め方のい・ろ・は(後編)
乳幼児期の食べ方の変化
月齢別の幼児食メニューの立て方とは?
幼児食を考える際の注意点