子供が頻繁に貧血を起こす場合、親としてはどのような対応を取ってよいものかとても悩みます。特に乳幼児期の赤ちゃんが貧血になりやすいと言われています。
今回は 貧血 の原因とそれを避けるための対策法として 食事 について調べてみました。
鉄欠乏性貧血を予防するための食事作り(前編)
何が原因で鉄欠乏性貧血になるのでしょうか?
貧血とは血液中の赤血球(ヘマトクリット)の減少や赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)の量が少なくなった状態をいいます。ヘモグロビンは体中に酸素を運搬する重要な働きをしていています。そしてヘモグロビンを作るためには鉄が必要となります。
体内に鉄分が少ないと、懸命に体中に酸素を送り出そうと心臓や肺が激しく働き酸欠状態となって動悸や息切れをはじめたとした鉄欠乏性貧血の症状が現れるのです。
鉄は1回に吸収される量が決まっていて余った分は排泄されてしまうため貧血が起こりやすくなります。そのため鉄分の多い食品を使った食事を意識的に摂取する事がとても大切になるのです。
なぜ子供が鉄欠乏性貧血になりやすいのでしょうか?
貧血の原因は様々ですが、中でも子供は鉄分の不足によっておこる鉄欠乏貧血になりやすいとされています。乳幼児期の成長は著しいものです。
生後は体内に蓄積されていた鉄分を使用しています。しかし6か月頃までの成長過程で今まで蓄積されていた鉄分を使い切ってしまい体内の鉄分が失われてしまいます。その頃から免疫力が低下して多くの感染症にかかりやすくなり、より鉄分の消費が増えてしまいます。
特に離乳食開始当初は、初めての食事に抵抗があったり好き嫌いなどの食べむらがある赤ちゃんも多く栄養が偏りがちになります。ちょうどその栄養が不足しがちな頃と体内の鉄分を使い切ってしまう時期が重なり鉄欠乏性貧血になりやすくなるとされているのです。
多くのママたちは離乳食が3回食になった9か月頃からタンパク質やカルシウム・鉄分・ビタミンなどの栄養素が豊富に含まれたフォローアップミルクで栄養を補うようにしています。
乳幼児期には5mg/日必要とされる鉄分ですが母乳には1mg/リットル、牛乳には0.5mg/リットルしか含まれていません。
栄養価が高いとされている牛乳はカルシウムとリンが多く含まれて体内で鉄分の吸収を妨げてしまうため600ml/日以上飲むと鉄分が不足し牛乳貧血になりやすいとされています。
また腸管が未熟な乳幼児はアレルギーのリスクも高めてしまうため、牛乳は1歳を過ぎてから飲ませるようにしましょう。
激しいスポーツを長時間続けると筋肉運動により通常より多く鉄分が失われます。子供が就学するとそれまで以上に運動量が多く激しくなる事で鉄分が不足し鉄欠乏性貧血になりやすくなるため注意が必要です。
子供の貧血の中には鉄分不足のもの以外に、黄疸症状が現れる溶血性貧血や赤血球を作る骨髄で血液に含まれる細胞を作る事ができなくなる再生不良性貧血などの場合もある為、家庭での食事改善を試みても貧血が頻繁に起こる場合はきちんと病院で診てもらうことをお勧めします。
後編では、鉄欠乏性貧血の場合にはどのような症状があらわれるのか、またどのような食事が貧血を改善させるのかご紹介します。
まとめ
鉄欠乏性貧血を予防するための食事作り(前編)
何が原因で鉄欠乏性貧血になるのでしょうか?
なぜ子供が鉄欠乏性貧血になりやすいのでしょうか?