「児童養護施設でのボランティアを要する厳しい現場状況とは(前編)」では、 児童養護施設 の ボランティア の役割について、また児童養護施設とはどのような場所であり、どのような子ども達が入所しているのかご説明致しました。
後編では、児童養護施設で求められるスキルや児童養護施設でのボランティアの難しさについてご説明致します。
児童養護施設でのボランティアを要する厳しい現場状況とは(後編)
児童養護施設のスタッフに求められるスキルとは?
多種多様な問題を抱えた児童を支える施設スタッフは、常にスタッフ個人の援助技術の向上に努めています。
児童養護施設は児童福祉法第四十五条の規定に基づき児童福祉施設最低基準に沿って準じています。
児童福祉施設最低基準の中には、児童福祉施設の職員に対して「常に自己研さん(学問などを深くきわめること)に励み、必要な知識及び技能の習得、維持および向上に努めなければならない。」としています。
社会福祉士資格や保育士資格のほかに、場合によっては心理療法をおこなう技術のある精神保健福祉士や医療行為を必要とする現場には看護師など、十分な実務経験だけでなく多くの有資格者が必要となるのです。
豊富な知識や質の向上のために積極的に専門資格の取得をしたり、定期的な研修の受講などをおこない、十分な支援体制がとれる環境づくりを目指しているのです。
しかし入所する児童の増加や入所理由の多様化によって、実際は児童養護施設の対応は時には24時間体制で休暇もとれないほどの多忙さを極める場合も多く、施設スタッフの技術的な問題だけでなく体力的にも大きな問題を抱えている現状があります。
児童養護施設でのボランティア活動の難しさ
児童養護施設でボランティアをしたいという考えを持っている人は尊敬にも値します。
しかし児童養護施設での現状を理解すればするほどボランティア活動には非常に難しい環境にあるといえるでしょう。
主にボランティアに求められる業務としては、児童の身の回りのお世話、学習支援、炊事、洗濯、清掃、行事の手伝い、人間関係づくりのサポート(話し相手、遊び相手など)などと言われていて専門的能力が不要な活動とはいえ多岐にわたっています。
しかし厳しい現場の中であるために一度ボランティアに加われば明確に仕事を割り切ることも難しくなります。
児童への対応の仕方によっては大きな問題に発展させてしまう危険性もあるため、ボランティア採用してもらえた場合でも活動の仕方には十分注意が必要になります。
活動の難しさから児童との間でトラブルが発生することも少なくないようです。
児童福祉施設でのボランティアは善意だけでは対応できない複雑かつ厳しい現場であることを十分理解したうえで検討する必要があるということです。
しかしボランティアへの参加意欲を持つことは大変素晴らしいことです。こういった考えを持つ人がより多くなってくれることを望みたいです。
まとめ
児童養護施設でのボランティアを要する厳しい現場状況とは(後編)
児童養護施設のスタッフに求められるスキルとは?
児童養護施設でのボランティア活動の難しさ